領域ごと主要研究機関の、GDE関連活動への取り組みは以下のようである:
日本:高エネルギー加速器研究機構(通称:KEK)を中心として、加速器本体の開発研究が行われている。また、各地の大学で測定器の開発が進められている。
アジア/太平洋諸国:各国の研究者が本国研究施設において、また、KEK、CERN、フェルミ国立加速器研究センターなど、各国の事情や研究機関毎によって協定を締結した加速器科学研究センターを訪問して開発研究に従事している(KEKへ訪問しているのは、タイ、インドネシア、韓国、中国、インド、スリランカ、ベトナム等、合計24カ国より・・CERNメンバー国及び北米も含む)。
ヨーロッパ:CERNを初め、DESYおよび各地の大学で、測定器や加速器本体の開発研究が進められている。
北米:フェルミ国立加速器研究センターをはじめ、スタンフォード線形加速器研究センター (SLAC) 、トマス・ジェファーソン研究所(Jefferson Lab)、コーネル大学等で開発研究が進められている。
同時に、GDEとは不即付離の関係のもと、全世界規模の物理学者が参加する大型実験のため、物理研究上の各種シミュレーションと測定器開発が行われている。さらに、アジア、ヨーロッパ、北米の各領域でそれぞれの産官学連携のフォーラムを初めとしたミーティングが行われ、活発な意見交換が進められている。
GDEは今後、世界各国の研究機関の間の共同技術開発の計画執行についても一定の舵取りを行っていく方向である。ただし、GDE自体に固有の大規模予算が政府間合意のもと拠出されているわけではなく、現在ほぼすべての開発予算は、各国ごと、個別研究機関の固有の「もちだし」に依存している。GDEは、これら個別機関の予算執行を管理し、監督官庁にたいして報告責任を負う立場には置かれていない。また、非公式協議の場はもたれているものの、国際リニアコライダーの建設が政府間国際協定のもとにすでに保障決定済み、ということでもない。これらの意味で、国際リニアコライダーは、「今後の展開をにらみつつ、当面の設計開発を、現時点の各国の研究枠組みの中の可能な範囲で推進する」という過渡的な状況にある、とするべきであろう。
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将来 [編集]
関係研究者間の過去の目標では、2007年に始まるCERNのLHC実験と同時期に、重心系エネルギーで250GeV?500GeVの衝突実験を行うことが期待されたが、現在では2010年代半ばまでの計画正式スタートが議論されている。
計画の正式実現のためには、なんらかの国際協議を経て、建設決定、最終候補地の選定、担当建設部署と予算拠出にかんする政府間合意が取り交わされる必要がある。それに基づき、加速器本体の設置形態を確定し、トンネルの掘削、加速器本体の製造、加速器付帯施設の建設、実験装置の製造、加速器付帯施設への実験装置の設置等が行われることになる。
上記にあるように、2007年2月に建設費用の一次評価が公開されたいま、計画推進の科学者の立場からは、近々に政府間の国際協議に向けた動きが新たな段階に入ることが望ましい、と考える者は少なくない。しかしながら、その具体については当然、関係国それぞれにおける周辺科学技術分野と産業界の了解、行政府とくに財政当局、および関連する地方公共団体の理解、そして最終的には立法府の判断に大きく左右される。前述のハドロン加速器とレプトン型加速器の相補性議論にかかわらず、計画と予算の巨大さを考慮して、2007年終わりに運転立ち上げが予定されているLHCからの実験の帰趨をまず見るべき、との意見も存在する。
ともあれ、国際リニアコライダー建設への進展のためには、一カ国あるいは一領域が先行して一元的に予算上、運営上の責任を負うのではなく、成り立ちからして国際的に開かれた("Global"な)計画発展の形態が取られるべき、というのが、関係する科学者のほぼ総意と言って良い。具体的にはたとえば、ALMA計画で経由したものと類似の段階を踏む可能性が研究者間では議論されている。すなわち、第三者評価が行われ、同時に専門委員会(予算、科学技術諮問委員会、技術開発委員会)が公式の組織として承認され、二次計画へとステップアップした後に政府間合意へと繋がっていく、といったようなものである。また、ITER計画も計画発展の形態を考えるうえでのひな形の一つと目される。ただし、政治決定(まだおこなわれていない)に先だって関連研究者レベルの議論が長く行われている点、現在までのところ、さまざまの国際共同研究をおこなってきた各研究所が開発の主体である点、したがって産業界による工業規模のエンジニアリングはまだその端緒についたところと言うべきなどの点で、国際リニアコライダーはITER計画とはやや趣を異にする。
これら諸課題についての関係国からの監督官庁による接触と意見交換は、OECD Global Science Forum の高エネルギー物理学の将来にかんする Consultative Group を皮切りに2003年ころから始まり、Funding Agencies for Large Colliders と呼ばれる会合において現在も進行中である。しかし、科学技術予算事情の幅広い長期展望を踏まえたうえの国際リニアコライダーにかんする政策は、各国ともそれぞれの行政府立法府を通して確立しているわけではなく、正式な国際協議の場の発足は今後の課題である。