炭素は4本の共有結合をとることができ、結合の状態によって数種類の同素体を形成する。炭素同士がsp2混成軌道を形成し、正六角形の平面構造をとるとグラファイトになる。また、sp3混成軌道を形成して3次元的な結晶構造をとるとダイヤモンドとなる。同じ炭素の同素体であるが、前者は電気伝導性が高く軟らかい、後者は絶縁体で硬いなど、全く異なる性質を示す。不完全燃焼によって生じる炭などは、これら2つの構造が混在したアモルファス状態であることが多い。これらの状態は温度や圧力によって変化する。ダイヤモンドが炭素の同素体であることを示したのはラヴォアジエである。実験内容は、密閉容器に納めたダイヤモンドを虫眼鏡により燃焼させると二酸化炭素だけが生成するというものである。
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以上3種は古くから知られていたが、20世紀後半以降、フラーレンや多分野での開発が進んでいるカーボンナノチューブなどの複雑な構造を持つ炭素の同素体が多数発見され、ナノテクノロジーの分野で有用な物質と考えられている。
a. ダイヤモンド
立方晶系の結晶。産出量は少ないが産業的に利用可能な程度には豊富。宝石として、また工業用のカッターなどに利用。現在では人工ダイヤモンドの合成技術も確立され、実用化されている。
b. グラファイト(黒鉛)
六方晶系の結晶。板状の構造(単体ではグラフェン)が多数重なってできている。炭素の結晶としては最も一般的なもの。日常的なものとしては鉛筆の芯などに用いられる。
c. ロンズデーライト(六方晶ダイヤモンド)